産婦人科の基礎知識
産婦人科で扱う疾患②
ここでは産婦人科で扱う疾患、「子宮内膜症」英語では、endometriosisといいますが、その子宮内膜症について簡単に説明していこうと思います。
子宮内膜症とは一体何でしょうか?子宮内膜は、月に一度、ホルモンの影響により月経の際に剥脱し出血を繰り返します。子宮内膜症は、子宮内膜あるいはそれの類似組織が、子宮内腔以外の所に発生し増殖する疾患です。
本来は、子宮の内側を覆っているものですが、子宮内膜症の逆流説によれば、月経の際に剥脱した子宮内膜が卵管から、お腹の中に逆流し、ばらまかれると考えられているようです。そして、いろんな場所にくっついて、子宮内で出血が起こる際には、お腹の中にばらまかれた子宮内膜でも生理の出血が起こってしまいます。これが、ダグラス窩と呼ばれる子宮と直腸の間の腔に癒着を作ったり、古い血液がたまったチョコレート嚢腫と言われる卵巣嚢腫を作ったりしてしまいます。
子宮と両方の卵巣を摘出すれば直りますが、これから、子供さんを作りたい方の場合には、この方法がとれないために、リュープリンといわれる注射で生理を止めたり、腹腔鏡下手術で悪いところだけを摘出したりしますが、なかなかしつこくて完治することの難しい疾患になります。
病気それ自身は悪性ではないんですが、女性ホルモンに依存して増殖し、周辺の組織に浸潤し、癒着を形成する疾患です。子宮内膜症は、子宮筋腫に比べると、若い年齢に発症することが多く、主訴としては、月経痛を中心とした疼痛と不妊が中心となります。初経後3-4年を経過して発症し、女性ホルモン分泌が活発になる20-30歳代にかけて進行していき、女性ホルモン分泌が低下する40歳後半以降は低下すると言われています。
生殖可能年齢婦人の5-10%は内膜症の病変を持つと言われていますので、患者さんが思っているよりは、はるかに頻度が高い疾患になるようです。
